こんにちは。山口市を中心に注文住宅やリノベーションを手掛ける工務店、家咲の代表、古田です。
最近、以前の記事をお読みくださった方から、「あの後、ナフサショックはどうなったのですか」「家咲さんは影響を受けていませんか」というお声を、これまで以上にいただくようになりました。ニュースでは中東情勢や資材価格の話題が続いており、家づくりを検討中のご家族にとっては、落ち着かない気持ちになりやすい時期かもしれません。
今回は、2026年5月にお伝えした内容の続編として、その後のナフサ価格の動きと、住宅業界全体、そして家咲の現状について、できるだけ正直にお伝えします。
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結論から申し上げますと、業界全体では資材価格の上昇が続いている一方で、家咲では現時点で、急激な価格転嫁や大幅な納期の遅れは生じておりません。なぜそう言えるのか、どのような工夫を続けているのか、そして情勢が読みにくい今だからこそ大切にしていただきたい視点についても、あわせてご紹介いたします。

現在のナフサ価格はどう動いているのか
結論として、ナフサ価格は依然として不安定な状態が続いており、完全に落ち着いたとは言えない状況です。
時期によって上がったり下がったりを繰り返しており、一つの数字だけを見て「もう大丈夫」「まだまだ危険」と決めつけるのは難しい状況だと感じています。
ナフサは原油を精製してつくられる石油化学製品の原料で、断熱材やサッシ、水回り設備の樹脂部材など、住宅一棟に使われる数万点の部材に関わっています。2026年2月末に中東で発生した軍事衝突をきっかけに、ホルムズ海峡の通航が実質的に大きく制約される状態が続き、原油やナフサの供給がひっ迫したことは、5月の記事でお伝えしたとおりです。

石油化学業界の専門紙の報道によりますと、財務省貿易統計にもとづく国産ナフサの基準価格は、2026年1〜3月期が1キロリットルあたり65,700円だったのに対し、4〜6月期は118,900円で確定し、上昇幅・水準ともに過去最高を更新したとされています。中東情勢の緊迫化が2か月以上に及んだことで、需給のひっ迫した状態が続いたことが背景にあるようです。
なお、この四半期ごとの確定値とは別に、日々の相場に近い形で動く指標も公表されています。
そちらでは、6月にかけていったん落ち着きを見せたあと、7月中旬から下旬にかけて再び価格が急上昇する場面があったと報じられています。
8月に入ってからの状況については、報道によって見方が分かれており、「やや落ち着いてきている」とする情報がある一方で、「ホルムズ海峡の情勢や為替の影響で、再び高い水準に戻っている」とする情報も見られます。7〜9月期の確定値はまだ公表されていないため、現時点で方向性を断定することは難しく、今しばらく状況を見守る必要がありそうです。
・2026年1〜3月期(確定値):1キロリットルあたり65,700円
・2026年4〜6月期(確定値):1キロリットルあたり118,900円(過去最高を更新)
・2026年7〜9月期:確定値は未公表。日々の指標では7月中旬〜下旬に急騰する場面があり、8月の評価は情報源によって分かれている
また、ナフサの輸入価格が国内の建材価格に反映されるまでには、契約から入着、そして製品への価格転嫁まで、一定の期間を要すると言われています。
そのため、現時点の相場がそのまま翌月の建材価格に直結するわけではなく、数か月遅れて影響が現れやすいという特徴があります。
今後の見通しについては、専門家の間でも意見が分かれており、断定的なことは申し上げられませんが、経済産業省では、ナフサの備蓄体制の強化を含めた、エネルギー需給の強靱化に向けた総合的な対応方針を、2026年8月末をめどに取りまとめる考えを示しています。国としても、供給の安定に向けた検討が進められている段階といえそうです。
住宅業界全体に広がる資材価格の値上げ
結論として、ナフサ価格の高騰は、住宅に使われる樹脂系建材を中心に、業界全体へ着実に波及しています。これは家咲に限った話ではなく、住宅会社であればどこも同じ市況の影響を受ける立場にあります。
具体的には、断熱材メーカー各社から、2026年4月から6月にかけて、製品によって最大4割程度の価格改定が発表されています。発泡プラスチック系の断熱材は、原料がナフサに近いこともあり、特に影響を受けやすい建材のひとつとされています。

サッシや建具、水回り設備については、値上げが一度きりではなく、夏と秋の2段階で進められている点に注意が必要です。大手メーカーの公式発表によりますと、水まわりやタイルなどの製品は2026年8月受注分から平均13%程度、住宅サッシやドアなどの建材は同年10月受注分(外壁・屋根は9月受注分)から平均10%程度、窓まわりの一部製品では平均20%程度の値上げが、それぞれ予定されています。
こうした状況を整理すると、以下のような傾向が見えてきます。
・断熱材(発泡プラスチック系):メーカーにより最大4割程度の価格改定(2026年4〜6月に実施)
・サッシ・建具・水回り設備:夏(8月前後)と秋(9〜10月)の2段階で、平均10〜20%程度の値上げが予定されている
・塗料・屋根材の一部:価格改定に加え、品目によっては入手が難しくなる場合もある

なぜ樹脂系の建材が特に影響を受けやすいかというと、断熱材の発泡樹脂やサッシの部材など、ナフサから作られるプラスチックを主原料としているためです。木材のように別の調達ルートに切り替えやすい建材と比べると、代替となる原料が限られやすく、価格変動の影響を受けやすい構造になっていると考えられます。
これらはあくまで、公表されている情報をもとにした一般的な傾向であり、すべてのメーカー・すべての製品に一律に当てはまるものではありません。仕様や発注のタイミング、地域によっても影響の出方は異なりますので、詳しくは打ち合わせの中で個別にご確認いただくのが確実です。大切なのは、こうした値上げの動きが特定の会社だけの事情ではなく、業界全体が向き合っている課題だと理解しておくことだと感じています。

家咲では、なぜ大きな影響が出ていないのか
結論から申し上げますと、家咲では現時点で、急激な資材の高騰や大幅な納期遅延は生じていません。ただし、これはナフサショックの影響をまったく受けていないという意味ではなく、影響を受けにくくするための工夫を、日頃から続けてきた結果だと考えています。
具体的には、複数のメーカーを比較しながら調達先を選ぶこと、納期が読みづらい資材については早めに発注して価格を確定させること、標準仕様を定期的に見直し、過剰な仕様に偏らない設計を心がけることなどを、現場レベルで積み重ねてきました。同等の性能を持つ建材を複数社で比較し、状況に応じて採用先を切り替えられるようにしておくことも、こうした局面では役立っていると感じます。

加えて、山口市を中心とした地域の協力業者の皆さまとは、長年にわたってお付き合いを重ねてきており、こうした信頼関係が、資材の確保や納期の調整においても支えになっていると感じています。有事のときほど、価格や納期の情報は日々変わります。そうした状況で頼りになるのは、契約書の条件そのものよりも、普段からの取引の積み重ねなのだと、現場の実感としてお伝えしたいと思います。
もちろん、今後の情勢によっては、家咲においても影響が出る可能性はゼロではありません。世界情勢は今なお流動的で、先の見通しを断定できる段階ではないからです。
だからこそ、状況が変化した際には、良いことも難しいことも、都度正直にお伝えしていく姿勢を大切にしたいと考えています。
もともと家咲では、自社検査に加えて第三者機関による品質検査を導入し、施工中の記録を報告書として残すなど、見えない部分こそ丁寧に確認する家づくりを続けてまいりました。資材の調達についても同じ考え方で、価格や納期の情報を感覚ではなく、複数の情報源で確認しながら進めることを心がけています。こうした積み重ねが、結果として急な混乱を防ぐことにつながっているのではないかと感じています。

有事だからこそ、焦らずに判断していただきたいこと
結論として、こうした情勢が続く時期こそ、いつも以上に落ち着いて情報を確認しながら判断を進めていただきたいと考えています。
このような有事の際には、「今契約いただければ値上がりの影響を受けません」というような形で、契約を急がせる案内を耳にすることがあると、お客様からお聞きすることがあります。これは特定の会社を批判する意図ではなく、多くの住宅会社が同じ市況の中にいるからこそ、お伝えしておきたいことです。価格の動きは実際に存在するものですが、その情報をどう受け止め、どのタイミングで判断するかは、ご家族ごとに異なるはずです。価格の動き自体、情報源によっても見え方が異なることがありますので、一つの情報だけで判断しないことも大切です。

判断に迷われたときは、次のような視点で整理してみることをおすすめします。
・提示された値上げの根拠が、具体的なメーカー情報や公的な情報に基づいているか
・「今だけ」という表現が、比較検討の時間を奪うための言葉になっていないか
・資金計画やライフイベントとの兼ね合いから見て、無理のないタイミングかどうか
不安な気持ちにつけ込むような進め方ではなく、根拠となる情報を確認しながら、ご家族が納得したうえで判断を進めていただくことが、後悔のない家づくりにつながると考えています。
特に、値上げの発表時期や対象製品は、メーカーの公式サイトやニュースリリースで確認できることが多いため、営業担当者の説明とあわせて、一次情報にも目を通していただくと、より安心して判断しやすくなるはずです。
家咲では、価格や納期に関する情報も含めて、良いことも難しいことも、正直にお伝えする姿勢を大切にしています。情勢が動いている時期だからこそ、焦らず、比較検討の時間を十分に取っていただいて構いません。気になる点があれば、そのつど遠慮なくご質問ください。

この記事のまとめ
ナフサショックの影響は、2026年8月現在も完全になくなったわけではなく、価格の上下を繰り返しながら、住宅業界全体に影響を及ぼし続けています。そのなかで家咲は、日頃からの調達の工夫と地域の協力業者との信頼関係により、現時点で大きな混乱なく家づくりを続けられています。
本記事で押さえておいていただきたいポイントを、あらためて整理します。
・ナフサ価格は2026年4〜6月期に過去最高を更新し、7〜9月期はまだ確定していないが、直近も上下の変動が続いており、8月時点の評価は情報源によって分かれている
・断熱材やサッシ、水回り設備など、住宅の樹脂系建材を中心に、業界全体で夏・秋の2段階での値上げが進んでいる
・家咲では、複数メーカーの比較調達や早期発注、地域の協力業者との信頼関係により、現時点で急激な影響は出ていない
・今後の情勢によっては変化の可能性もあり、状況は正直にお伝えしていく
・有事の情報を利用した契約の急かしには、焦らず落ち着いて向き合っていただきたい
情勢が読みにくい時期だからこそ、正確な情報をもとに、ご家族のペースで判断を進めていただければと思います。焦って決めることも、逆に必要以上に不安になって足を止めてしまうことも、どちらもご家族にとって望ましい結果にはつながりにくいものです。家咲は、そのどちらでもない、納得のいく歩幅で家づくりを進めていただけるよう、これからも正確な情報をお届けしてまいります。気になることががあれば、どんな小さなことでも、いつでもお気軽にご相談ください。
※本記事は執筆時点(2026年8月中旬)の情報です。ナフサ価格や制度、各社の価格改定内容などは、今後の情勢により変更される場合があります。

引用元・参照元
- 資源エネルギー庁「今こそ知りたい、日本の『石油備蓄』のしくみとは?」(エネこれ) https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/government_stockpiled_oil.html
- 資源エネルギー庁「石油等の供給構造の強靱化に向けて」(2026年7月、資料5) https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/sekiyu_gas/supply_structure/pdf/001_05_00.pdf
- 日本経済新聞「国産ナフサが最高値更新、4〜6月の価格確定 中東危機で2倍に」(2026年7月30日) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB171ZQ0X10C26A7000000/
- 日本経済新聞「『ナフサ備蓄』8月にも対策 揮発性やコストが難題、限られる選択肢」(2026年7月23日) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA201JC0Q6A720C2000000/
- 化学工業日報「国産ナフサ価格、過去最高へ 1~3月は横ばい」(2026年4月30日) https://chemicaldaily.com/archives/797566
- 化学工業日報「4~6月の国産ナフサ11・8万円 上げ幅含め最高」 https://chemicaldaily.com/archives/836123
- 大景化学「ナフサ価格推移表」(2026年8月7日時点データ)※国産ナフサ価格指標は、財務省貿易統計にもとづく四半期確定値とは算出方法が異なる、スポット相場に連動した目安値です https://www.daikeikagaku.co.jp/naphtha/
- 株式会社LIXIL ニュースリリース「建材・設備機器のメーカー希望小売価格の一部改定について」(2026年5月18日発表、7月13日一部改定) https://www.biz-lixil.com/pdf/lixil_kakakukaitei.pdf
- 日本経済新聞「LIXILがトイレ13%値上げ、住宅サッシやドアも 中東情勢受け」(2026年5月18日) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC184E80Y6A510C2000000/
- プライシー「【2026年6月】断熱材 値上げの理由と住宅費への影響・対策」 https://www.pricey.jp/web/articles/2343
- テイガク「【2026年8月5日更新】建材資材の値上げと受注停止の影響」
https://yanekabeya.com/201086/ - 家咲スタッフブログ「ナフサショックで住宅価格はどうなる?家づくりは待つべきかプロが解説」(2026年5月1日)
https://iesaku.jp/blog/naphtha-shock-housing-prices/
よくある質問<FAQ>
Q1. ナフサショックは、もう落ち着いたのでしょうか?
A. 完全に落ち着いた、とは言い切れないのが正直なところです。2026年6月にかけて相場が一時的に落ち着く場面もありましたが、7月には情勢の変化により再び価格が上昇する局面もありました。8月時点の状況については、報道によっても見方が分かれており、私たちも一つの情報だけで判断せず、複数の情報を確認しながらお伝えするようにしています。今後も状況が変わり次第、正直にお伝えしてまいります。
Q2. 家咲で建てると、資材の値上げの影響は受けませんか?
A. 業界全体が同じ市況の影響を受けている以上、家咲も無関係ではいられません。ただ、複数メーカーの比較調達や早期発注、地域の協力業者との信頼関係により、現時点では急激な価格転嫁や大幅な納期遅延は生じておりません。今後の情勢によって状況が変わる可能性もありますので、都度正直にお伝えしていきます。
Q3. 「今契約すれば値上がりしない」と言われたら、どう考えればよいですか?
A. そのお気持ち、よく分かります。値上げの動き自体は実際に起きていることですが、契約を急ぐ理由として使われている場合は、いったん立ち止まって、根拠となる情報を確認してみることをおすすめします。メーカーの公式発表など、一次情報とあわせて確認すると、落ち着いて判断しやすくなるはずです。
Q4. 今のタイミングで家づくりを進めても大丈夫でしょうか?
A. ご家族によって状況は異なりますので、一概には申し上げられませんが、価格の動きだけでなく、金利や補助金制度、ご家族のライフイベントなども含めて、総合的に判断していただくことをおすすめします。まずは情報収集からで大丈夫ですので、迷われている段階でもお気軽にご相談ください。
Q5. 今後、資材価格がさらに上がる可能性はありますか?
A. 中東情勢は現在も流動的であり、今後の見通しを断定することはできません。サッシや水回り設備については、秋(9〜10月)にも追加の価格改定が予定されているとメーカーから公式に発表されています。家咲では、最新の情報を確認しながら、状況に変化があった際には正直にお伝えしてまいりますので、どうぞご安心ください。
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今回のような情勢の変化は、ご自身での情報収集だけでは判断がしづらい部分も多いかと思います。まずは情報収集からでも大丈夫ですので、現在の資材価格や資金計画について気になる点があれば、個別相談にてお気軽にお尋ねください。実際の見積りをもとに、現時点でどのくらいの費用感になるのか、具体的にご案内することも可能です。
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