こんにちは。山口市の住宅会社、家咲の古田です。
家づくりのご相談の中でも、住宅ローンと並んでよくご質問をいただくのが「団信」についてです。
今日は、その仕組みと選び方を一緒に整理していきましょう。
「団信って、結局なにを保障してくれるの?」「がん団信って入った方がいいの?」
家づくりを考え始めたご夫婦から、こうしたご質問をよくいただきます。
団信は、住宅ローンを組むほとんどの方が加入するものですが、内容を詳しく知らないまま契約してしまうケースも少なくありません。
この記事では、団信の基本的な仕組みから種類・コストの目安、そして「どんなときに保障されるのか/されないのか」まで、持ち家ならではの安心感とあわせて分かりやすく解説します。
あわせて、持病や健康状態を理由に団信へ加入できない場合の考え方についても触れていますので、「入れないから家は持てない」と感じている方にも参考にしていただければと思います。

団信とは何か――住宅ローンを組む前に知っておきたい基本
団信(団体信用生命保険)とは、住宅ローンの契約者に万一のことがあった場合、保険金によってローン残高が完済される仕組みの保険です。
多くの民間金融機関では、住宅ローンを借りる際の加入が前提条件となっており、いわば「住まいと家族を守るための土台」といえる存在です。
基本となる「一般団信」は、契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、その時点でのローン残高が保険金によって完済される仕組みです。
保険料は住宅ローンの金利に含まれていることが多く、追加で別途支払いが発生しない金融機関がほとんどとされています。
つまり、住宅ローンを借りた時点で、すでにこの基本保障がセットされているケースが一般的です。

団信に加入するタイミングは、住宅ローンの本審査の前後が一般的です。
健康状態についての告知書を提出し、保険会社の審査を経て加入が決まります。
持病がある場合や、過去に大きな病気をされた経験がある場合は、この告知の内容によって加入の可否や条件が変わることがあるため、早い段階で確認しておくと安心です。

なお、フラット35のように団信加入が任意となっている住宅ローンも一部存在します。
任意加入の場合は、ご自身で保障の必要性を判断する必要がありますので、検討段階で金融機関に確認しておくとよいでしょう。
多くの金融機関が団信加入を借入の条件としているのは、契約者に万一のことがあった際、ご家族にローン返済の負担が残らないようにするためです。
金融機関にとっても貸し倒れのリスクを抑える仕組みであり、結果として、契約者・金融機関の双方にとって安心材料となっている制度といえます。
持ち家だからこそ感じられる、団信ならではの安心
団信の大きな特徴は、「もしものとき、家族に住まいという資産がそのまま残る」という点にあります。
賃貸住宅の場合、契約者に万一のことがあれば、その後も家賃の支払いは続いていきます。
一方、持ち家で団信に加入していれば、ローン残高がなくなった「住まい」が、そのまま家族の手元に残るという違いがあります。

家咲にご相談くださるご夫婦の中にも、「子どもが小さいうちは、もしものことがあっても住まいだけは残してあげたい」という思いから、賃貸ではなく住宅購入を選ばれた方が多くいらっしゃいます。
家計のシミュレーションをご一緒する中で、「団信があるから、賃貸のときよりも将来への不安が少し軽くなった」というお声をいただくことも少なくありません。

団信は、生命保険としての側面と、住まいという資産を守る側面の両方を持っている点が特徴です。
とはいえ、団信はあくまで住宅ローンの残高を保障するものであり、その後の生活費や教育費まで保障してくれるわけではありません。
すでに加入している生命保険や医療保険とのバランスを見ながら、ご家庭全体としてどこまで備えておくかを整理することが大切です。
「持ち家か賃貸か」を考えるとき、初期費用や毎月の支払いだけに目が向きがちですが、こうした「もしものときの備え」も判断材料のひとつになります。
どちらが良い・悪いということではなく、ご夫婦の働き方や将来設計に合わせて、納得できる選択をしていただければと思います。
団信の主な種類とコストの目安
団信には、一般団信のほかにも、保障範囲を広げた特約付きのタイプがあります。
それぞれ上乗せされる金利の目安が異なるため、ここで整理しておきましょう。

・一般団信:
死亡・高度障害が対象。多くの場合、金利上乗せなしで付帯します。
・がん団信(50%保障):
がんと診断確定された場合に、ローン残高の50%が保障される仕組みです。近年は、金利上乗せなしで付帯する金融機関も増えてきているとされています。
・がん団信(100%保障):
がんと診断確定された時点で、残高が全額保障されるタイプです。上乗せ金利の目安は0.05〜0.2%程度とされていますが、金融機関や商品改定によって幅がありますので、最新の条件は各金融機関でご確認ください。
・3大疾病・8大疾病保障団信:
がんに加え、脳卒中や急性心筋梗塞、その他の生活習慣病なども保障の対象に含めるタイプです。
・全疾病保障団信・月次返済保障:
病気やケガにより就業不能の状態が一定期間続いた場合に、月々の返済額や残高の一部が保障される仕組みです。
・ワイド団信:
持病や既往症があり、通常の団信に加入しにくい方向けの団信です。引受基準が緩和されている分、上乗せ金利の目安は0.2〜0.3%程度とされています。

上乗せ金利は、0.1%前後の違いに見えても、借入期間が長くなるほど総返済額への影響が積み重なっていきます。
借入額や金利水準によっては、総返済額で数十万円単位の差になることもあるとされていますが、これはあくまで目安であり、実際の差は借入条件によって異なります。
「保障の手厚さ」と「毎月の負担」のバランスを、ご夫婦で話し合いながら検討することをおすすめします。
※団信の金利上乗せ幅や保障内容、商品ラインナップは、金融機関や審査結果、執筆時点の商品内容によって異なります。お申込みの際は、必ず各金融機関の最新情報をご確認ください。
どんなときに保障されるのか、どんなときは対象外になるのか
団信は「入っていれば何があっても安心」というものではなく、保障される条件と、保障されない条件の両方を理解しておくことが大切です。
家咲のご相談でも、このあたりを詳しく知らないまま検討を進めてしまい、あとから「思っていた保障と違った」と感じる方も見受けられます。

【保障の対象になりやすい代表的なケース】
・契約者が死亡した場合
・両目の失明、言語機能の喪失など、所定の高度障害状態に該当した場合
・がん団信に加入しており、所定のがんと診断確定された場合(保障内容により50%または100%)
・特約付き団信で、所定の疾病により就業不能状態が一定期間(金融機関により30日〜1年程度など条件が異なります)継続した場合
【注意しておきたい、保障の対象とならないケース】
・加入時の健康告知に事実と異なる内容があった場合(告知義務違反)
・責任開始日から90日以内にがんと診断された場合(多くのがん団信で設けられている免責期間です)
・上皮内がんや、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんなど、保障対象から除外されている疾病に該当した場合
・軽い後遺症が残ったものの、約款上の「高度障害状態」の基準に至らない場合
・加入している特約の対象になっていない疾病やケガの場合
このように、「がんになれば必ず保障される」「働けなくなれば必ず保障される」というものではなく、商品ごとに細かな条件が定められています。
契約前には、保障の対象となる範囲と、対象外となる条件の両方を、約款や金融機関の説明資料でしっかり確認することが安心につながります。
実際のご相談の中でも、「がん団信に入っているから、入院すればすぐにローンがなくなると思っていた」というお話をうかがうことがあります。
多くのがん団信は「診断確定」が条件であり、入院や治療の有無そのものが直接の条件ではない商品が一般的です。
また、就業不能保障についても、「数日仕事を休んだだけ」では対象とならず、一定期間の継続が条件となっている場合がほとんどです。
思い込みのまま契約を進めてしまうと、いざというときに「想定していた保障と違った」と感じてしまうこともあるため、契約前の確認がとても大切です。
団信を選ぶときに、ご夫婦で考えておきたいこと
団信選びで後悔しないためには、ご夫婦それぞれの健康状態や家計の状況に合わせて検討することが大切です。
特約付き団信の多くは、年齢制限(50歳未満など)が設けられている場合があります。
住宅ローンを組むタイミングが遅くなるほど、選べる団信の選択肢が狭まる可能性があるため、検討中の方は早めに条件を確認しておくと安心です。

また、すでに生命保険やがん保険に加入している場合は、団信と保障内容が重複していないかを見直す良い機会でもあります。
団信でローン残高の保障を確保できる分、既存の保険を見直すことで、毎月の保険料負担を整理できる可能性もあります。
重複したまま固定費だけがふくらんでしまうと、せっかくの保障も家計の負担になってしまいますので、住宅購入のタイミングであわせて確認しておくとよいでしょう。
共働きで収入合算やペアローンを利用される場合は、ご夫婦それぞれが団信に加入する「連生団信」を取り扱っている金融機関もあります。
連生団信では、どちらか一方に万一のことがあった場合に、二人分のローン残高が保障される仕組みのものもあれば、それぞれの持ち分のみが保障される仕組みのものもあり、内容は金融機関によって異なります。
共働き世帯が増えている近年では、こうしたペア向けの団信について相談を受けることも増えてきましたので、ペアローンを検討されている方は、あわせて確認しておくとよいでしょう。
家咲では、資金計画のご相談の際に、団信を含めた住宅ローン全体の考え方についてもお話しさせていただいています。
「どの保障が自分たちに合っているか分からない」という段階でも、もちろん問題ありません。
ご夫婦それぞれの考え方や将来のご家族計画もうかがいながら、一つひとつ整理して、無理のない選び方を一緒に考えていきましょう。
持病や健康状態が不安な方へ――「団信に入れないから家は持てない」と思い込まないために
団信は、住宅ローンを組むうえで欠かせない仕組みではありますが、「持病があるから」「過去に大きな病をしたから」という理由だけで、住宅購入そのものを諦める必要はありません。
団信に入れない場合や、あえて入らないという選択をする場合にも、いくつかの選択肢が用意されています。

団信の審査に通らなかった場合に考えられる選択肢
・ワイド団信を検討する:
引受基準が緩和された団信で、糖尿病や高血圧などの持病がある方でも、条件によっては加入できる可能性があります。
・フラット35を検討する:
フラット35は団信への加入が任意のため、健康状態を理由に一般の団信に加入できない方でも、団信なしで住宅ローンを利用できる場合があります。
・配偶者や家族との収入合算・ペアローンを検討する:
契約者を分けることで、団信加入のハードルを下げられる場合があります。ただし、団信に加入していない契約者分については、万一の際にローン残債がそのまま残る点に注意が必要です。
・時間をおいて再検討する:
治療や経過観察が落ち着いた段階で、改めて団信の審査を受けられる可能性があります。健康状態は時間の経過とともに変わることもありますので、一度の審査結果だけで判断しきらないことも大切です。
団信なしで住宅ローンを組む場合に、あわせて考えておきたいこと
団信に加入しない、またはできない場合は、契約者に万一のことがあった際、ローン残債がそのまま家族に残ることになります。
この点を補うために、以下のような備え方を検討される方もいらっしゃいます。
・民間の生命保険や収入保障保険で、ローン残高相当分を別途カバーする
・「引受基準緩和型保険」など、持病があっても加入しやすい保険商品を確認する
・ご家族で、万一の際の住まいの維持方針について、あらかじめ話し合っておく
どの選択が合っているかは、健康状態やご家族の状況、将来設計によって一人ひとり異なります。
「持病があるから」とご自身だけで判断して住宅購入を諦めてしまう前に、まずは選択肢があることを知っていただければと思います。
家咲でも、こうしたご相談を資金計画とあわせて一緒に整理させていただくことがあります。
健康状態に不安がある場合こそ、早めにご相談いただくことで、検討できる選択肢が広がることもありますので、お気軽にお声がけください。
この記事のまとめ
団信は、住宅ローンを組むほとんどの方に関わる大切な仕組みであり、「持ち家だからこそ家族に住まいを残せる」という安心感につながるものです。
一方で、保障される条件と保障されない条件の両方があるため、「入っていれば安心」と思い込まず、商品ごとの内容を比較・確認することが欠かせません。
また、持病や健康状態を理由に一般的な団信へ加入できない場合でも、ワイド団信やフラット35、生命保険による備えなど、検討できる選択肢は複数あります。
「入れないから諦める」のではなく、まずはご自身に合った選択肢を確認することが大切です。
団信は一度加入すると、途中で内容だけを変更することは基本的にできません。
だからこそ、住宅ローンを検討する段階で、ご夫婦それぞれの健康状態や家計のバランス、将来のライフプランまで含めてじっくり話し合っておくことが、納得できる選択につながります。
焦らず一つずつ整理しながら、ご家族にとって無理のない保障内容を選んでいただければと思います。

引用元・参照元
※本記事は、2026年6月末日時点の情報をもとに作成しています。住宅ローン金利、団信の保障内容や上乗せ金利、制度等は変更される場合がありますので、お申込みの際は必ず各金融機関の最新情報をご確認ください。
・住宅金融支援機構「【フラット35】新機構団信の加入要件・保障内容」 https://www.flat35.com/danshin_menu/shin-danshin/kanyuu.html
・住宅金融支援機構「健康上の理由その他の事情で新機構団信制度に加入しない場合も、【フラット35】は利用できますか。」
https://jhffaq.jp/jhffaq/flat35/web/knowledge599.html
・ダイヤモンド不動産研究所「団体信用生命保険」徹底比較! 住宅ローンでおすすめの団信は?(2026年6月版)
https://diamond-fudosan.jp/articles/-/1111342
・モゲチェック「住宅ローンの団信を付けると金利はいくら上乗せ?どこまで必要か徹底比較」 https://mogecheck.jp/articles/show/7ePRpdBM2OYd4oGvyAbz
・住まいサーフィン編集部コラム「住宅ローンの団信はどこが充実してる?がん保障などの比較やおすすめの金融機関をご紹介!」
https://www.sumai-surfin.com/columns/mansion-knowledge/mortgage-insurance
・アエラホーム コラム「住宅ローンで自分に合う団信の選び方とは?FPが主な種類や比較ポイントと加入できないときの対策を解説」
https://aerahome.com/column/homeloan/251231152/
・SBI新生銀行「住宅ローンのがん団信は必要?一般的ながん保険と比較して解説」 https://www.sbishinseibank.co.jp/retail/housing/column/vol161.html
・auじぶん銀行「団体信用生命保険」
https://www.jibunbank.co.jp/products/homeloan/insurance/
・カーディフ生命 スマイルすまい「がん団信100%と50%どっちを選ぶ?住宅ローンの保険「団信」特約の種類解説」
https://danshin-smile.cardif.co.jp/cancer-danshin-100-50/
よくある質問<FAQ>
Q1. 団信には必ず加入しないといけないのですか?
A. 多くの民間住宅ローンでは、団信への加入が借入の条件となっています。一方で、フラット35のように加入が任意となっているローンもあります。加入が必須かどうかは、利用予定の金融機関に事前にご確認ください。
Q2. がん団信は50%保障と100%保障、どちらを選えばよいですか?
A. どちらが適しているかは、ご家庭の貯蓄状況や他の保険加入状況によって異なります。手厚い保障を重視する場合は100%保障、毎月の返済負担を抑えたい場合は50%保障が検討されることが多いですが、個別の状況によって判断は変わりますので、慎重に比較することをおすすめします。
Q3. 持病があると団信に入れませんか?
A. 一般的な団信は健康状態の告知が必要で、内容によっては加入できない場合があります。ただし、引受基準を緩和した「ワイド団信」であれば、持病がある方でも加入できる可能性があります。条件は金融機関ごとに異なりますので、事前確認が必要です。
Q4. 団信に入っていれば、住宅ローンの返済中に病気をしても絶対に安心ですか?
A. 加入している団信の保障範囲に該当する場合は残高が保障されますが、保障対象外の疾病や、責任開始から一定期間内の診断など、対象とならないケースもあります。契約時に保障条件をしっかり確認しておくことが大切です。
Q5. 団信とがん保険は両方入った方がよいですか?
A. 団信は住宅ローン残高の保障、がん保険は治療費や生活費の備えという役割の違いがあります。重複している部分がないか、ご家庭の保険全体を見直しながら検討されることをおすすめします。
Q6. 持病があって団信に入れない場合、住宅購入自体を諦めるしかないのでしょうか?
A. そうとは限りません。引受基準を緩和した「ワイド団信」や、団信加入が任意となっている「フラット35」など、検討できる選択肢があります。また、団信なしで住宅ローンを組み、別途生命保険でローン残高相当分を備えるという考え方を選ばれる方もいます。まずはご自身の状況に合った選択肢があることを知ったうえで、進め方を検討することをおすすめします。
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