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【贈与?それとも相続?】
親から土地をもらうときに知っておきたい手続きと税金の基本について

【贈与?それとも相続?】
親から土地をもらうときに知っておきたい手続きと税金の基本について

いつもブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。
山口市の工務店「家咲」の古田です。

山口市、防府市、宇部市エリアを中心に家づくりのご相談を承る中で、最近よく耳にするのが「親から土地を譲り受けることになったけれど、何から手をつければいいのか分からない」というお声です。

「贈与と相続はどちらを選ぶべき?」「名義変更の手続きはどう進めるの?」と、疑問や戸惑いを抱えるご夫婦は少なくありません。
土地を譲り受けることはマイホーム計画の大きな一歩になる一方で、税金や登記といった、普段なじみのない手続きに直面することもあります。

そこで今回は、親から土地をもらう際の手続きの流れや、知っておきたい税金の考え方についてお話しします。
さらに、広い敷地の一部だけを譲り受ける場合に必要となる「分筆」の手続きについても、実務の視点を交えながら分かりやすく整理してお届けします。

白縄で区画整理された、平坦に整地された住宅用の分譲地

親から土地をもらう方法と、まず押さえておきたい基本

親から土地を受け継ぐ方法には、親が存命のうちに譲り受ける「生前贈与」と、亡くなった後に引き継ぐ「相続」の2つがあります。
どちらを選ぶかによって、かかる税金の種類や手続きの進め方が大きく変わるため、まずはこの違いを理解しておくことが家づくりの計画を立てるうえでの第一歩になります。

生前贈与と相続では何が違うのか

生前贈与は、親が元気なうちに土地の名義を子に移す方法です。
家づくりを始めたいタイミングに合わせて計画的に進められる点が特徴で、住宅会社との打合せや住宅ローンの審査に間に合うように準備しやすいというメリットがあります。

一方、相続は親が亡くなった後に、法律で定められた手続きに沿って財産を引き継ぐもので、原則として贈与税ではなく相続税の対象になります。
どちらが適しているかは、ご家族の資産状況や将来設計によって異なるため、税理士など専門家に相談しながら判断することをおすすめします。

丘の上から新興住宅街の街並みを眺める、2世代の家族4人の後ろ姿

「口約束」だけでは家づくりは進められない

家づくりの現場でよくあるのが、「将来この土地をあげるつもりだから」と口頭では聞いていても、正式な贈与契約書の作成や名義変更(登記)が済んでいないために、住宅ローンの審査や着工の段階で立ち止まってしまうケースです。

土地に家を建てるためには、原則としてその土地の名義が建築主であるご本人になっている必要があります。
「もらえる予定」と「もらった」の間には手続き上の大きな違いがあることを、早い段階で意識しておくと安心です。

不動産売買契約書にペンで署名する手元と、認印の印鑑ケースおよび眼鏡

親から土地をもらうときにかかる税金と手続きの流れ

土地の生前贈与には、贈与税のほかに不動産取得税や登録免許税といった税金が発生する場合があります。
これらは見落とされがちな費用でもあるため、資金計画の段階から組み込んでおくことが大切です。

贈与税の基本となる2つの制度

贈与税には主に「暦年課税」と「相続時精算課税制度」という2つの課税方式があります。
暦年課税は、1年間に受けた贈与財産の額から基礎控除額(年間110万円)を差し引いた金額に課税される仕組みで、土地のような評価額の高い財産では基礎控除内に収まらないことが一般的とされています。

もう一つの相続時精算課税制度は、原則として贈与の年の1月1日時点で60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子や孫への贈与で、贈与者ごとに選択できる制度です。
この制度を選択すると、年間110万円の基礎控除に加えて、累計2,500万円までの特別控除の範囲内であれば贈与税がかからないとされています。

ただし、一度この制度を選択すると、その贈与者(たとえば父親)からの贈与については、以後ずっとこの制度が適用され、暦年課税には戻せない点に注意が必要です(贈与者が複数いる場合は、贈与者ごとに制度を選べます)。

また、将来その贈与者が亡くなった際には、それまでの贈与財産を相続財産に加算して相続税を計算する仕組みになっているため、メリット・デメリットの両面があります。
どちらの制度が合っているかは、ご家族の財産状況によって異なりますので、利用を検討される場合は税理士など専門家への確認をおすすめします。

電卓を叩きながら確定申告書Bや収支内訳書、領収書を確認する手元

見落としやすい「不動産取得税」と「登録免許税」

相続によって土地を取得した場合、原則として不動産取得税はかからないとされています。
一方、生前贈与で土地を取得した場合は、不動産取得税の課税対象となる点に注意が必要です。

現在は、土地の取得にかかる不動産取得税の税率は本来4%のところ3%に軽減される措置が設けられており、宅地の評価額を2分の1とする特例とあわせて、令和9年(2027年)3月31日までの取得が対象とされています。

なお、ここでいう「評価額」は実際の売買価格ではなく、市区町村が定める固定資産税評価額を指します。
また、これらの軽減措置は自動的に適用されるものではなく、原則として都道府県税事務所への申告が必要とされていますので、対象となる方は申告漏れのないよう注意してください。

また、名義変更の登記の際には「登録免許税」が必要になります。
税率は取得の原因によって異なり、贈与による場合は固定資産税評価額の2%、相続による場合は0.4%とされており、同じ評価額の土地であっても、贈与の方が登録免許税の負担が大きくなる傾向があります。

こうした税率や特例の期限は法改正によって変更される可能性があるため、実際に手続きを進める際は必ず最新の情報を確認するようにしてください。

青空のもと日本国旗が掲げられた、コンクリート造りの近代的な市役所の外観

名義変更(所有権移転登記)の流れ

生前贈与で土地をもらう場合は、一般的に「贈与契約書の作成」→「法務局への所有権移転登記の申請」→「登記完了」という流れで手続きを進めます。
口約束だけでは贈与の事実を証明しづらいため、たとえ親子間であっても、誰が・いつ・どの土地を・どのような条件で贈与するのかを書面に残しておくことが大切です。

登記手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、登録免許税とは別に司法書士報酬がかかります。
報酬額は土地の状況や依頼内容によって幅がありますので、依頼する際は事前に見積もりを確認しておくと安心です。

なお、贈与税の申告が必要な場合は、贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に税務署へ申告する必要があるとされていますので、あわせて確認しておきましょう。

司法書士の看板がある事務所で、書類を広げて相談する年配の夫婦と専門家

土地の分筆が必要になるケースと、その手続き・費用の目安

親の土地の一部だけをもらう場合や、広い土地を複数の用途に分けたい場合には、登記簿上の1つの土地を複数に分ける「分筆」という手続きが必要になることがあります。

なぜ分筆が必要になるのか

私たちのご相談の中でも、「実家の敷地が広いので、その一角に家を建てたい」というご要望をいただくことがあります。
このような場合、土地全体ではなく一部だけを譲り受けることになるため、登記簿上もその部分を独立した土地として分ける「分筆」の手続きが必要になります。

また、将来的に兄弟姉妹で土地を分け合う場合や、土地の一部を売却したり別の用途で活用したりしたい場合にも、分筆を検討するケースがあります。
分筆をしておくことで、その土地だけを対象とした贈与や売買、担保設定などがしやすくなるという面もあります。

一方で、分筆をすると土地ごとに固定資産税や評価額が独立して算定されるようになるため、分け方によっては将来の管理のしやすさにも影響します。
「どこからどこまでをもらうか」というイメージだけでなく、「分けた後の土地で実際に暮らせるかどうか」まで含めて考えておくことが、後悔のない分筆につながります。

赤と白のテープが巻かれた「境界杭」が打たれ、黄色いメジャーが伸ばされた土地

分筆登記の流れと、かかる期間

分筆の手続きは、土地家屋調査士に依頼して進めるのが一般的です。
隣地との境界がすでに明確になっている場合は、比較的短期間で分筆登記が完了するケースもあるとされています。

一方、境界が定まっていない場合は、隣接地の所有者や道路の管理者と現地で立ち会いを行い、境界を確定させる「境界確定測量」から始める必要があり、関係者との調整に数か月単位の期間を要することもあるとされています。
古い土地ほど境界が曖昧なケースも見られるため、早めに専門家へ相談しておくことをおすすめします。

測量機器を三脚に据えて敷地を計測する作業員と、遠くで標尺を持つスタッフ

分筆にかかる費用の目安と注意点

分筆にかかる費用は、土地の境界確定の有無や形状、隣接地の数などによって大きく異なり、数十万円程度で収まる場合もあれば、100万円を超えるケースもあるとされています。
境界確定測量が必要な場合の費用は30万円台〜80万円程度、分筆登記そのものの費用は数万円〜十数万円程度が目安とされており、これとは別に分筆後の筆数に応じた登録免許税(1筆あたり1,000円)がかかります。

分筆を進めるうえでは、いくつか注意しておきたい点もあります。
極端に不合理な形状に土地を分ける「不合理分割」は、登記が認められない場合があるとされています。

また、市街化調整区域などでは1筆あたりの最低面積が定められていることがあり、分筆によって道路への接し方(接道条件)が変わり、再建築や住宅ローンの審査に影響する可能性も考えられます。
さらに、分筆後の土地は固定資産税評価額や面積もそれぞれ独立して算定されるため、分筆の仕方によって将来の税負担が変わってくることもあります。

家づくりを前提に分筆をする場合は、測量や登記の視点だけでなく、「分筆後の土地に希望の家が建てられるか」「駐車場や庭のスペースは確保できるか」といった建築の視点も含めて、早い段階で住宅会社や土地家屋調査士に相談しておくと安心です。

工事項目が細かく記載された工事見積書と、黒い電卓および2本の万年筆

後悔しないために、土地をもらう前に確認しておきたいこと

税金や登記の手続きだけでなく、家族間での認識合わせと、専門家への早めの相談が、後悔のない土地の引継ぎにつながります。

家族間で先に話し合っておきたいこと

分筆や測量にかかる費用を誰が負担するか、他に兄弟姉妹がいる場合に将来の相続でどのように扱うかなど、お金や将来に関わる話題は後回しにされがちです。
しかし、後から「聞いていなかった」「思っていた話と違う」といった認識のずれが分かると、ご家族の関係にも影響しかねません。

土地をもらうことが決まった段階で、誰がどの範囲をもらうのか、費用負担はどうするのか、将来の相続にはどう影響するのかといった点を、早い段階でご家族間でオープンに話し合っておくことが大切です。

木目調のダイニングテーブルを囲み、ノートを開いて家づくりの相談をする家族4人

家づくりの計画と並行して進めるコツ

土地の贈与や分筆の手続きには、境界確定や登記の状況によって数週間から数か月かかることもあります。
家づくり全体では着工までに約1年ほど見ておく必要があるとされていますので、間取りの検討と並行して、土地に関する手続きにも早めに着手しておくことが、理想の完成時期に近づくための一つのポイントです。

この記事のまとめ

親から土地をもらう方法には「生前贈与」と「相続」があり、それぞれ贈与税・相続税のほか、不動産取得税や登録免許税といった税金のかかり方が異なります。
また、土地の一部だけを譲り受ける場合には「分筆」という手続きが必要になることがあり、境界確定の有無によって期間や費用が大きく変わってきます。

制度や税率は今後の改正によって変更される可能性があるため、実際に手続きを進める際は、税理士・司法書士・土地家屋調査士など専門家に最新の情報を確認しながら、ご家族にとって無理のない形で進めていただければと思います。

せっかく受け継ぐ大切な土地です。
一つひとつ丁寧に手続きを整えて、安心して新しい暮らしを迎えていただけたらうれしく思います。

※本記事は2026年6月末時点で公表されている公的機関の情報をもとに作成しています。
税制改正大綱の内容は今後の国会審議等により変更される場合がありますので、実際の手続きの際は必ず国税庁・お住まいの都道府県税事務所など最新の公式情報をご確認ください。

引用元・参照元

よくある質問(FAQ)

Q1. 親から土地をもらう場合、贈与税は必ずかかりますか?

A. 土地の評価額や利用する制度によって異なります。
暦年課税の基礎控除(年間110万円)を超える部分には贈与税がかかるとされていますが、相続時精算課税制度を選択した場合は、条件を満たせば累計2,500万円までの特別控除の範囲内で贈与税がかからないとされています。
どの制度が適しているかはご家庭の状況によって異なるため、税理士への相談をおすすめします。

Q2. 相続を待ってから土地をもらった方が税金は安くなりますか?

A. 一般的に、相続では原則として不動産取得税がかからず、登録免許税の税率も贈与より低くなるとされています。
ただし、相続のタイミングは選べないため、家づくりの計画との兼ね合いも含めて、生前贈与と相続のどちらが適しているかをご家族の状況に応じて検討することが大切です。

Q3. 分筆をしないと土地に家を建てられませんか?

A. 親の土地全体を譲り受ける場合は分筆が不要なケースもあります。
分筆が必要になるのは、主に土地の一部だけを譲り受ける場合や、将来的に区画を分けて活用したい場合です。
土地の状況によって必要性が異なるため、まずは現状の登記情報を確認することをおすすめします。

Q4. 分筆の費用はどのくらい前から準備しておけばよいですか?

A. 境界確定測量が必要かどうかによって費用も期間も大きく変わります。
隣地との境界が曖昧な土地の場合は、調整に数か月かかることもあるため、家づくりのスケジュールを立てる前の段階で、土地家屋調査士や住宅会社に早めに相談しておくと安心です。

Q5. 土地をもらった後、すぐに家づくりの打ち合わせを始められますか?

A. 名義変更(登記)が完了していることが、住宅ローンの審査や建築請負契約を進めるうえで前提となる場合が多くあります。
手続きの状況によって進め方が変わりますので、土地の贈与を検討し始めた段階で、住宅会社にも併せてご相談いただくとスムーズです。

家咲の施工エリアについて

弊社「家咲」では、山口市・防府市・宇部市・美祢市・萩市を中心に、家づくりのご相談を承っています。
事務所から車で1時間圏内のエリアを主な対応範囲としております。
施工可能エリアの詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせについて

「親から土地をもらうことになったが、どう進めればいいか分からない」「分筆が必要かどうかも含めて相談したい」――そんな段階でも大丈夫です。
家咲では、土地探しから設計・施工・アフターまで一貫してサポートしており、土地に関するご相談だけでも承っております。
まずは情報収集からでも構いませんので、気になる点がございましたら、個別相談や家づくり勉強会などお気軽にご活用ください。