こんにちは。山口市を中心に注文住宅やリノベーションを手掛ける工務店、家咲の代表、古田です。
「将来、電気自動車に乗り換えるかもしれないけれど、家づくりの段階で何か準備しておくべきことはあるのだろうか」。
そんなご質問を、最近の打合せで耳にすることが増えました。
今すでにEV(電気自動車)に乗っている、あるいはすぐに購入を決めているという方は、まだそれほど多くはありません。
ただ、将来の買替え候補としてEVを頭の片隅に置いているご夫婦は、思いのほかいらっしゃいます。
EVの充電のしやすさは住まいの形によって差が出やすいとされていますが、これは家づくりの打合せでは意外と見落とされがちなポイントです。
特に、間取りや外観のご相談が一段落したあとになって、駐車スペースの使い方や電気設備の話題として持ち上がることも少なくありません。
この記事では、EVに関する調査データを交えながら、戸建て住宅とEV充電の相性、
そして家づくりの段階で検討しておきたい設備について、住宅会社の立場から整理してお伝えします。
「まだ先の話」と思っている方にも、判断材料として役立てていただければと思います。
実際に検討を始めるかどうかは別として、知っておくだけで安心につながることもあるはずです。

EVはどれくらい普及している?所有・検討の実態を見てみましょう
日本の新車販売に占めるEVの割合は、現時点ではまだ大きくありません。
実際に所有している方や、すぐに購入するつもりという方に限れば、ごく一部にとどまっているのが実情です。
とはいえ、将来の買替え候補としてEVを考えている方は、着実に増えてきています。
ガソリン車やハイブリッド車が主流であることに変わりはありませんが、選択肢のひとつとしてEVを意識する方が増えているという流れ自体は、押さえておいてよいポイントだと思います。
新車販売におけるEVの割合
自動車販売の統計をもとにした集計によると、日本国内の新車販売台数に占めるEV・PHEV(プラグインハイブリッド車)の比率は、2026年6月時点でおよそ5.27%。
前年同月の2.91%から上がり、これまでで最も高い水準になったと報告されています。
単純に言えば、新車を買う人のおよそ19人に1人程度が、EVかPHEVを選んでいる計算になります。
軽自動車タイプのEVがよく売れていることも、この伸びを支えているようです。

全体で見ればまだ限られた割合ですが、ここ数年で比率が着実に上がってきているのは確かなようです。
数年前まではごく限られた車種しかなかったことを思えば、選べる車が増えてきたこと自体が、この変化を後押ししていると言えそうです。
住環境を理由に購入をためらう方も
あるEVメーカーが、集合住宅にお住まいでEVの購入を考えている方を対象に調査を行ったところ、「EVを購入したい」と答えた方は約3割弱にのぼりました。
一方で「住環境、つまり充電設備がないことを理由にEVをあきらめたことがある」という方も一定数おり、EVを具体的に検討している層に絞ると、その割合はさらに高くなったそうです。

マンションなど集合住宅の居住者に絞った調査ではありますが、「自宅で充電できるかどうか」が住まいの形を問わず購入の決め手になりやすいということは、戸建てを検討中の方にも参考になるのではないでしょうか。
裏を返せば、住まいの充電環境さえ整っていれば、EVという選択肢はぐっと現実的になるということでもあります。
家咲にご相談いただく中での印象
私たち家咲にご相談いただくお客様の中でも、実際にEVをお持ちの方はまだそう多くない、というのが正直な印象です。
ただ、「将来的には検討したい」「子どもが独立したタイミングで乗り換えるかもしれない」というお声は、年を追うごとに少しずつ増えてきました。
家咲では、家づくりの最初の打合せで、家族構成やライフスタイル、趣味や休日の過ごし方などを雑談も交えながらお伺いしていますが、そうした会話の中で「実はEVも気になっていて」と打ち明けてくださる方も珍しくありません。

多くの場合、最初から明確な希望としてではなく、「そういえば」といった軽い話題として出てくるのですが、私たちはそうした一言一言も大切にしたいと考えています。
家づくりは一度きりの大きな判断ですから、こうした「今すぐではないけれど、将来ありえる暮らしの変化」も、頭の片隅に置いておいて損はないと思います。
なぜ戸建て住宅はEV充電に向いていると言われるのでしょうか
賃貸住宅や集合住宅と比べて、戸建て住宅はEVの基礎充電、つまり自宅の駐車スペースでの夜間充電などを計画しやすいという特徴があります。
住まいの形によって、この点には小さくない差が出るようです。

集合住宅で充電が難しくなりやすい理由
2024年に実施されたEV・PHEV所有者向けの調査を見ると、この差がよく分かります。
| 住まいの形 | 自宅に充電設備がない方の割合 |
|---|---|
| 戸建て(持ち家) | ごく一部にとどまる |
| 集合住宅(分譲・賃貸) | 大多数を占める |

集合住宅では駐車場が共有スペースであることが多く、充電設備を設置するには管理組合の合意形成が必要になるなど、個人の判断だけでは進めにくい事情があるからだと考えられます。
戸建てであれば、こうした調整の手間がそもそも発生しにくいという点も、見逃せない違いです。
土地や建物は個人の所有物ですから、駐車スペースの使い方についても、比較的自由に決めていける立場にあると言えます。
戸建てなら「夜のうちに満タン」が計画しやすい
戸建て住宅なら、自分の敷地内にある駐車スペースに充電用のコンセントを設置できます。
夜のうちに自宅で充電しておき、朝は満充電の状態で出発する、という使い方が現実的に計画できるわけです。
EVを満タンにするには時間がかかりますが、日常の走行距離程度なら、寝ている間の充電で十分まかなえることが多いともされています。
生活動線に自然に組み込めるのは、戸建てだからこそできる工夫かもしれません。

駐車スペースの配置も、玄関やパントリーへの動線とあわせて最初から計画できるのは、注文住宅ならではの自由度だと思います。
買い物から帰ってきて、荷物を運びながら充電ケーブルをつなぐ、といった一連の流れも、設計段階で意識しておくと暮らしやすくなるはずです。
今は使わなくても、選択肢を狭めない考え方
家咲では、家族の生活リズムやライフスタイルの変化に合わせて、将来も対応できる住まいづくりを大切にしています。
お子さまの成長に合わせて間取りを柔軟に変えられる「育つ家」の考え方をご提案することもありますが、EVについても発想は同じです。
今すぐ導入するかどうかは別として、将来の選択肢を狭めない工夫をしておくことは、長く安心して暮らすためのひとつの視点になるはずです。
家づくりでは、どうしても「今、必要かどうか」で判断しがちですが、十年、二十年先の暮らしまで見据えて考えてみると、また違った答えが見えてくることもあります。

家づくりで検討しておきたい設備、200Vコンセントの考え方
新築のタイミングで、EV充電用の200V電源に対応できるコンセントや配管を準備しておくと、将来EVを購入した際の工事の負担が軽くなる可能性があります。
EV充電にはなぜ200Vが必要なのか
なぜ200Vが必要なのでしょうか。
一般的に、EVの自宅充電にはエアコンの200Vタイプと同じ系統の電源が使われることが多いとされています。
100Vのコンセントでも充電はできますが、時間がかなりかかってしまうため、200V専用の回路を用意しておくほうが実用的、という場合が多いようです。

ただ、必要な電気容量や配線方法は住宅の状況によって変わってきますので、電気工事の資格を持つ専門業者に事前に確認してもらうことが欠かせません。
分電盤の容量や、他の設備との兼ね合いも関わってくるため、思い立ってすぐに対応できるとは限らない点にも注意が必要です。
特に、後から電気容量を増やす工事は、新築時に比べて手間も費用もかさみやすいと言われています。
新築時に準備できることの例
新築時なら、駐車スペースの位置に合わせて配管や下地だけをあらかじめ用意しておく、という方法もあります。
こうしておけば、実際にEVを購入したタイミングで、コンセントの取り付けなど最小限の工事で済む可能性が高まります。

設置費用は依頼先や工事内容によって幅があるとされていますので、正確な金額は、家づくりの打合せの中で個別にご確認いただければと思います。
家咲では、標準仕様とオプションの境界や、追加費用が発生しやすいタイミングをできるだけ明確にお伝えするようにしていますので、EV用のコンセントについても、他の設備と同じように費用感を確認しながら検討いただけます。
「今すぐ必要かどうか分からない」という段階でも、遠慮なくお尋ねいただければと思います。
太陽光や蓄電池との組み合わせも視野に
家咲では、住まいの快適性と合わせて太陽光発電の採用を積極的にご提案しています。
EVを蓄電池のように活用する仕組みも、少しずつ広がりつつあるようです。
将来的に太陽光発電や蓄電池とEVを組み合わせた暮らしを考えている場合は、早めに教えていただけると、配線計画や分電盤の位置決めにも反映しやすくなります。
日中に太陽光でつくった電気をEVに充電し、夜間はその電気を使って過ごす、といった暮らし方も、これから少しずつ現実的な選択肢になっていくのかもしれません。
この記事のまとめ
EVは着実に普及が進んでいるものの、現時点ではまだ多数派とは言えません。
それでも、将来の選択肢として検討している方が一定数いらっしゃるのも事実です。
そのうえで、戸建て住宅は充電環境を計画しやすいという利点があり、家づくりの段階で少し意識しておくことが、将来の安心につながるかもしれません。
今回の内容を、簡単に振り返ってみましょう。
・EV・PHEVの新車販売比率は上昇傾向にありますが、全体で見ればまだ限られた割合です
・集合住宅にお住まいの方を対象にした調査では、住環境を理由にEV購入をためらったという声も一定数見られました
・戸建て住宅は自宅の駐車スペースで充電を計画しやすく、集合住宅より自由度が高いとされています
・新築時に200V用の配管や下地だけでも準備しておけば、将来の後付け工事の負担が軽くなることがあります
・迷ったときは「今すぐ必要か」ではなく「将来の選択肢を残せるか」で考えてみるのも、一つの手です
EVについては、「絶対に必要」と言い切れる段階ではありません。
ただ、家づくりは何十年も先の暮らしを見据える機会でもあります。
ご家庭にとってEVが将来どのくらい現実的な選択肢になりそうか、ご夫婦で一度話し合ってみると、打合せもよりスムーズに進むかもしれません。
※本記事は執筆時点(2026年9月中旬)の情報です。
EVの普及状況や関連する調査データ、統計などは、調査の時期や対象範囲によって異なり、今後変更される場合もあります。
※本記事には、内容理解を助ける目的で一部AI生成画像を使用しています。
引用元・参照元
・東京都環境局「EVと住環境についての調査結果の共有」(日産自動車株式会社による調査データを含む公開資料。集合住宅居住者を対象とした調査)
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/22_hokoku_nissan
・東京都環境局「EVとEV充電インフラの現状と課題」(株式会社エネチェンジによる所有者アンケート集計資料。2024年3月実施)
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/02-02_ENECHANGE
ミライズエネチェンジ「【2026年最新】日本の電気自動車(EV)の普及率は?新車販売に占めるEV・PHEV比率の推移を解説」
・https://ev-charge-enechange.jp/?p=376
よくある質問<FAQ>
Q1. 今すぐEVを購入する予定がなくても、家づくりの段階で準備しておいた方がいいですか?
A. 必ず準備が必要というわけではありませんが、新築時に配管や配線ルートだけ確保しておくと、将来的な工事の負担が軽くなる場合があります。今すぐの購入予定がない場合でも、打ち合わせの中で一度触れておくと、後々ちょっとした安心材料になるはずです。
Q2. 200Vコンセントの設置には、どのくらいの費用がかかりますか?
A. 設置状況やご依頼先によって費用には幅があるとされています。新築時にあらかじめ準備しておく場合と、後から追加工事を行う場合とでも変わってきますので、詳しい金額については、家づくりの打合せの中で個別にご確認いただくと安心です。
Q3. 太陽光発電や蓄電池と組み合わせてEVを使うことはできますか?
A. 家咲では太陽光発電の採用を積極的にご提案しており、蓄電池やEVとの組み合わせについてもご相談いただけます。ご希望があれば、間取りや配線計画の段階から一緒に検討していきましょう。
Q4. 賃貸に住んでいる場合、EV充電はあきらめるしかないのでしょうか?
A. 集合住宅でも、地域や物件によっては充電設備の設置が少しずつ進んでいるケースもあるようです。
ただし、共有スペースの都合上、個人の判断だけでは進めにくい面があるのも実情です。将来的に戸建てへの住み替えをお考えの場合は、そのタイミングで充電環境について検討されるとよいかもしれません。
Q5. EVをまだ持っていなくても、家づくりの相談で聞いてもいいのでしょうか?
A. もちろん大丈夫です。EVはあくまで将来の暮らし方の一つの選択肢ですので、他のご要望と合わせて、気軽にお聞かせください。
家咲の施工エリアについて
弊社では、山口市、防府市、宇部市、美祢市、萩市を中心に、家づくりのご相談を承っています。施工可能エリアの詳細は、お気軽にお問い合わせください。
ご相談・お問合せについて
「EVはまだ考えていないけれど、家づくり自体はそろそろ本格的に進めたい」という方は、まずは個別相談からお気軽にお越しください。
駐車スペースの配置や電気配線のご希望など、ちょっとした疑問でも構いません。
ご夫婦での参加はもちろん、オンラインでのご相談も承っておりますので、遠慮なくお声がけください。
