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建築吉日っていつのこと?
2020.01.10
結婚式は大安がいいとか、お葬式は友引はダメだとか・・・
「日が良いか、日が悪いか」という点は日本人なら誰もが気に掛けるのではないでしょうか?
結婚式やお葬式によい日、避けたほうがよい日があるように、建築業界にも「この日はよし、この日はよくない」というのがあります。
通常「六曜」「十二直」を組み合わせてよい日が「建築吉日」・・・十二直?(>_<)
ということで、今回は「建築吉日」をテーマに「大安」「仏滅」などカレンダーで目にする一般的な歴注「六曜」ではなく、最もよく当たる歴注といわれる「十二直」にスポットを当ててみようと思います(ㆁᴗㆁ✿)♪
「十二直」ってなに?
〉〉十二直は北斗七星の星の動きを吉凶判断に用いたもの
( 建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉 )
北斗七星が北極点を中心にして天球上を回転する動きを、十二支や方位と組み合わせて十二直を配置しています。
歴史はとても古く、大安や仏滅といった六曜よりも古くから信じられてきたものです。
飛鳥時代から十二直は暦に取り入れられていたようで、奈良時代に建てられた日本で最も古くからある宝物を管理する正倉院の中の暦にも記載されています。
十二直の「直」には「当たる」という意味があり、昭和初期ごろまでは最も信じられ、お日取りをするうえで非常に重視されていたようです。
たつ(建):吉日
吉日:万物を建て生じる日
:神仏の祭時、祝い事などすべて吉。動土は凶
[吉]
建(たつ)の意味から最吉日とされています。
事始によい日で、神仏の祭祀・棟上・衣服の着始め・婚礼・開店開業・新規事業の開始・移転・旅行に大吉。
[凶]
土木工事・屋敷内の動土・蔵開きは凶。
(動土・・・開運法の一種で吉の方角から土をもってきて家に撒くというもの。)
のぞく(除):吉日
吉日:障害を取り除く日
:医療関係,種まきに吉。婚礼、金貸しには凶
[吉]
浮上をはらい取り除く、「障害を除く」という日。
掃除・種まき・病気の治療は吉。
[凶]
婚礼・旅行・金貸し・動土は凶。
みつ(満):吉日
吉日:すべてが満ち溢れる日
:婚礼、祝い事、移転など吉。鍼灸には適さず
[吉]
「すべてが満ちる」という意味を持ち、新しく物事を始める日に最適。
万物満ち溢れる日ですが、何事も控えめが良し。
新規事・旅行・婚礼・種まき・移転・お祝い事、会社の登記、開店は吉。
[凶]
土木工事・動土・鍼灸は凶
たいら(平):吉日
吉日:物事が平らかになる日
:万物に用いて吉だが、川溝掘り、動土は凶
[吉]
万事が平らに、物事が平等円満に成立する日。
婚礼は大吉。地固め・柱建て・旅行・その他お祝い事は吉。
基本的に何事も問題なく行えるとされますが、一部凶のことがあります。
[凶]
川溝掘り・土を掘ったり、埋めたりする動土は凶で、犯せば災いあり。
一般の人があまり気にしないでよいことが凶で、建築関係で十二直の注意する日です。
さだん(定):小吉日
小吉日:善悪が定まってとどまる日
:縁談、売買契約など約束事、祝い事など吉
[吉]
物事が定まる日とされ、「善悪が定まる」という意味。
建築・開店・開業・売買・縁談・結納など約束事や結婚のお祝い事・移転・種まきにも吉。
[凶]
訴訟・旅行・動土・普請・造作には凶。
とる(執):小吉日
小吉日:執行し促す日
:婚礼、造作、五穀取り入れ等吉。出費は凶
[吉]
万物を裁決する日で、大体のことは吉。
神仏を祀ること・婚礼・その他お祝い事・五穀の取り入れ・井戸掘り・増改築に吉。
[凶]
しかしお金を使うことは凶とされます。
旅行・財産管理・金銭の出し入れ・持ち出しは凶。
やぶる(破):凶日
凶日:物事を突き破る日
:訴訟、談判ごとに吉。祀り事、祝事に適さず
[吉]
「突破する」という意味から訴訟ごとなど勝負事には吉。
[凶]
一方、お祝い事や契約事など破談という言葉が凶の物事はよくないとされます。
神仏の祭祀は凶。婚礼・お祝い事は大凶。
あやう(危):凶日
凶日:物事を危惧する日
:何事も自重が大切な日。旅行、登山等適さず
[吉]
危惧する、というところから万事控えめにするのが良いです。
お祝い事・祭礼は吉。
[凶]
この日は何事も危険を伴う日とされ、注意が必要です。
特に旅行・登山・開店・開業は凶。
なる(成):小吉日
小吉日:物事が成就する日
:婚礼、開業、移転など吉。訴訟事は凶
[吉]
何事も成功する日。結納に大吉。
新規事の開始・婚礼・種まき・移転・開業・開店・普請・祭礼において吉。
[凶]
訴訟や談判事には、凶。
おさん(納):小吉日
小吉日:万物を納めいれる日
:五穀取り入れ、買い入れ等吉。移転、葬儀は凶
[吉]
万物を納めいれることが吉。
したがって、五穀の収納・商品の買い入れ・買い物・新築などに吉。
[凶]
「物事を納める」という意味がありますが、婚礼・見合い・結納・葬式・移転・旅行には凶。
ひらく(開):半吉日
半吉日:開き通じる日
:婚礼・普請造作には吉。不浄のことに適さず
[吉]
運気が開く日なので、開店・移転・婚礼・地鎮祭・棟上等建築関係に吉。
[凶]
不浄のことに適さずというのは、葬式などを忌むということになります。
よって、葬式・便所造りなどの不浄事には凶。
とづ(閉):凶日
凶日:すべて閉じ込める日
:葬儀、墓造りに適し、祭事、祝事には用いず
[吉]
この日は諸事、閉止するという意味があり葬儀やお墓を建てることなどに良いとされます。
金銭の収納・建墓・便所造り・壁やふすまの穴ふさぎには吉。
[凶]
旅行・開店・婚礼などの祝い事・地鎮祭・棟上などは凶で災いありとされています。
一粒万倍日と三隣亡
十二直の説明は以上ですが、オマケにあと2つご紹介させていただきます(`・⊝・´)!
〉〉一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
一粒の種が万倍に増える吉日とされ、古来から商売始め、開店など事始めに用いられており、一か月に4~5日はあるので契約日選定の理由付けの一つになります。
〉〉三隣亡(さんりんぼう)
現代ではなんと「建築作業をしてはいけない日」とされているんです。もしこの日に工事をしたら、その家だけでなく両隣の三軒まで火事で燃えてしまう・・・といわれており、この日をお休みにする工務店もあるそうです。
旧暦の1・4・7・10月は亥の日、5・8・11は寅の日。
3・6・9・12月は丑の日がさんりんぼう、と決められているので、月2、もしくは3回あります。
大安吉日でも「さんりんぼう」の日は避けたほうが・・・?
しかし!昔の暦には「三輪宝」と書かれており、屋立て好し!蔵立て好し!などと注記されていたようです。
それがどこかで誤りが生じて「よし」が「あし」に、そして漢字も「三輪宝」から「三隣亡」に変化してしまったんだとか。
根拠の怪しい、あまり信頼のおけない歴注のひとつともいわれています˚‧º·(˚ ˃̣̣̥⌓˂̣̣̥ )‧º·˚
つまり建築的によい日は・・・?
建(たつ)・満(みつ)・平(たいら)・定(さだん)・成(なる)・開(ひらく)!
すべてを十二直に従ってその通りにするのではなく、大事なものごとや縁起を担ぐことに関しては十二直を意識したり、参考にしたりするのもいいかもしれませんね(ㆁᴗㆁ✿)♪